デザイン思考で”必ず解決できる問題を見つける” 佐藤オオキ「問題解決ラボ」 【本・感想】

日々問題だらけで解決方法を求め続けています、べーやんです。直近で解決したい問題は結婚できない問題ですが、コペルニクス的発想がないとなかなか厳しそうです…
今回は問題解決系の本を探しているときに読んだ佐藤オオキさんの「問題解決ラボ」をご紹介します。

こんな人におすすめ

・問題解決のためのアイデアの出し方を
・有名デザイナーの佐藤オオキさんについて知りたい人
・デザイン関係の仕事をしている人

佐藤オオキさんとは

みなさんは佐藤オオキさんのことはご存じでしょうか?私はこの本を読む前から存じ上げていたのですが、めちゃくちゃすごいデザイナーさんです。
2002年にデザインオフィスのnendoを設立、東京とミラノを拠点として活動されています。デザインの対象は建築、インテリア、プロダクトグラフィックなど様々なものを手掛けていらっしゃいます。様々な賞を受賞し、現在では国内外からのオファーが殺到して400案件を同時に進めているような方です。
ロッテのガム「AQUO」やエステーの「自動でシュパッと消臭プラグ」などだれもが一度は見たことがあるものもデザインされています。
私が昔務めていた会社でも佐藤オオキさんのデザインの商品は他の商品と比べ物にならないくらいの売り上げを上げていました。
確実に日本が世界に誇れるデザイナーの一人です。

構成・内容

章は5章で構成されていて、すべての章に「デザイン目線で考えると」と入っていることからもわかるように、デザイナーとしてご自身が編み出してきた問題解決の方法が書かれています。
節の構成は1つの内容に対して最初の3ページで具体例を交えて紹介、最後の1ページに問題解決の手法が解説されています。
実例は実際に手掛けた商品の写真や解説にちなんだイラストが入っていて、イメージがすっと頭に入ってきます。ここら辺はさすがデザイナーさんの本という感じです。
またこの4ページで1つがまとまっているため、隙間時間で読みやすいのがいいですね。

内容的にはデザイナーさんなのでほぼすべてデザインの話ですが、問題解決の手法という面ではデザインの話だなと思うのが4分の1くらいで、残りの4分の3は他のことにも共通することだったり、応用ができると思いました。

内容を一部紹介

様々な題材が書かれていますが、その中で特に私が面白いなと思った内容を一部ご紹介します。

必要なのは、「半歩」前に出る感覚

この節は半歩前に出ることの例えとしてトイレの話から始まります。
それはさておき(めっちゃ面白いのでぜひ本で読んでください)面白かったのが下の文章です。

「誰も見たことがないもの」は、「誰も求めていないもの」と紙一重。理想は「本来はそこにあるはずなのに、なぜかない」ものを「補充する」くらいの感覚です。

問題解決ラボ 佐藤オオキ

奇抜な方に振りすぎるとそれは誰も求めていないものになってしまう。そこで「スキマ」をよく見てそれを埋めていくような感覚が大切だそうです。確かに私も新しいものを作ろうとするとやりすぎてしまうことが多いなと思い当たる点が多かったです…

「仕事を楽しむ」をデザインする

この節が私は一番刺さりました。
佐藤オオキさんはこの節で趣味として何かを作る「楽しさ」と、それを職業にして何かを作る「楽しさ」は本質的に違い、デザイナーとしては「自分が作りたいもの」ではなく「作るべきと自分が信じるもの」を作らなければならないため、自分の欲求が満たされることによって得られる「楽しさ」は仕事に期待できないと書かれています。さらに

結論を言うと、仕事はつらいもの。その成功によって「楽しみ」を得られるとは限らず、努力した「プロセス」を後から振り返って初めて感じることができるものなのかもしれません。

問題解決ラボ 佐藤オオキ

と書かれています。仕事は走っている間はめちゃくちゃつらいかもしれませんが、後々振り返って楽しさを実感できるのかなと思いました。
また「正解は一番めんどくさい選択肢の中に」とも書かれていて、迷ったときはめんどくさそうな方を選ぶと結果としてそれが近道とおっしゃっています。めんどくさいことは避けてしまいがちですが、私も実践していきたいと思います。

まとめ

問題解決をデザイナー視点で書かれているのは独特で興味深かったです。
あと文章がめちゃくちゃ面白いです。定期的にボケたり、関係ないことも書かれています。ちなみに最初のページには海外出張でトイレに行ったら小便器に大便が入っていた話から始まります。こういう茶目っ気のある感じもデザインには必要なのかなと思いました。

デザイン関係の勉強やお仕事をされている方はもちろん、日々の問題を解決する方法を普段と違う角度で考えるためのきっかけとしてもおすすめの本です。