京都の「有次」で三徳包丁と出刃包丁を買ってきた!

先日京都に訪れたときに、念願の有次の包丁を買ってきました。
有次の包丁と言えば、一度は使ってみたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は料理人はもちろん、一般家庭の方にも愛される有次の包丁をご紹介してきます。

有次とは

有次(ありつぐ)は京都府中京区錦小路にある刃物店です。
創業は1560年で、刀鍛冶をしていた藤原有次(ふじわらのありつぐ)がはじめたお店です。

お店には常時400本以上の包丁が展示されています。
また刃物だけでなく鍋などの調理道具も取り扱っています。
普段はそこまで出ないような包丁まで並べられていて、店内は普段料理をしない人でもわくわくするような空間になっています。

この包丁は店員さんにお願いすればすべて実際に持ってみることができます。
また鋼のグレードや素材やサイズの違いなど、店員さんに聞くと丁寧に教えてもらえます。
「初めて出刃包丁を買うけど、どれを選んだらいいかわからない」など、知識のない状態からでも自分にピッタリの包丁を見つけることができますよ。

店内は決して広くないのですが、店内はいつも満員です。
海外からわざわざこの包丁を買いに来る料理人さんもたくさんいらっしゃるようで、普段は外国人の方もたくさんいらっしゃいます。

注意が必要なのは有次では現金払いしかできません。
決して安い買い物ではないので、事前にしっかりと現金を準備しておきましょう。

買った包丁

今回は2本の包丁を買いました。
包丁はそれぞれ刃の部分を紙で包まれた後箱に入れられ、「有次」と大きく印刷された包装紙に包んでくれます。

修理の時にこの箱に入れて持ってくる人を何人かお店で見かけたので、捨てないで取っておいても良いかもしれません。

今回買ったのは三徳包丁と出刃包丁です。
左が三徳包丁の「平常一品」、右は出刃包丁でグレードは「登録」になります。

三徳包丁「平常一品」

こちらが三徳包丁の「平常一品」です。
三徳包丁とは一般的によく家庭で使われている包丁で、洋包丁の一種になります。

有次の三徳包丁の素材は大きく分けてステンレスの2種類があります。
(正確に言うと本焼き包丁合わせ包丁の2種類です。)

ホームセンターなどで売っている包丁の大半がステンレスです。
ステンレスは錆びにくい代わりに切れ味はほどほどです。
また硬いため砥石で研ぎにくいという欠点もあります。

一方鋼の包丁は切れ味は抜群ですがとても錆びやすいため、使用後にはすぐ水けをふいてあげたり磨いてあげる必要があります。
またステンレスに比べると柔らかいため、刃が欠けやすいです。

では今回私が買った平常一品はどちらかと言うと、鋼とステンレスの両方を使った合わせ包丁というものになります。

合わせ包丁とは名前の通り異なる素材を合わせた包丁で、平常一品の場合は鋼をステンレスで挟み込んでいます。
これによって鋼の切れ味を持ちつつ、刃の部分以外は錆びにくいという良いとこどりの性能になっています。

良く見ると刃の部分とその他の部分で色味が違うのがわかると思います。
また挟み込んでいるステンレスも柔らかいため、研ぐのもそこまで大変ではありません。

とは言え刃の部分は水分が付いたままだとすぐに錆びてしまうので注意は必要です。
ただすべて鋼の包丁に比べるとかなり手入れは楽だと思います。

また包丁の刃と柄の部分が鍔で守られており隙間がないため、水が入り込んでしまうのを防いでくれます。
包丁は柄がダメになることで使えなくなってしまうことが多いそうなので、鍔があるだけと長持ちさせやすいそうです。
ちなみに昔刀を作っていた名残で鍔と呼んでいるみたいです。


気になる切れ味のところは、ステンレスの包丁しか使ったことのない私には異次元の切れ味でした。
ネギをいくら切っても切れ味が良く繊維をつぶさず切れるため目は痛くならず、大根の桂剥きも簡単に薄く剥くことができました。

家庭で普段使いするのであれば、切れ味とメンテナンス性を持ち合わせた平常一品はぴったりの包丁だと思います。

出刃包丁

出刃包丁は和包丁というジャンルになるのですが、和包丁には右利き用と左利き用で刃の向きが違います。
私は左利きなのでホームセンターなどではなかなか買うことができないのですが、そこは流石有次、左利き用の和包丁も大量に置いてありました。

有次の和包丁は鋼のみのラインナップになっていて、鋼には4段階のグレードがあります。
上から「真鍛」「上製」「特製」「登録」です。
一般の方が使うのであれば一番下の登録でも十分すぎるらしいので、私は登録を購入しました。

刃渡りですが、さばく魚のサイズよりも大きいものを選ぶのがいいそうです。
一般家庭では18cmのものが一番使い勝手が良いと言われたので、それにしました。


切れ味ですがこちらも文句なしです。
魚の骨にも負けず刃がかけることはありませんし、そこまで力を籠めないでも魚をさばいていくことができます。
有次の真骨頂は和包丁とも聞きますが、確かに納得の包丁でした。


ちなみにすべて鋼のため錆びやすいですが、長期間使わない場合は新聞紙に包んで箱にしまっておくと錆びるのを防げるそうです。

名前を彫ってもらえる

有次で買った包丁にはその場で無料で名前を彫ってもらうことができます。
紙に彫ってもらいたい名前を書いて渡すと、職人さんがカンカンとノミのようなもので彫ってくれます。

彫る場所は包丁によっても異なるようですが、基本的に包丁の刃の左側の峰に近いところになるみたいです。
ですので普通の包丁であれば「有次」の文字の反対側、左利き用の包丁ではグレードや「有次」の文字の上側に彫られることになります。

自分の名前を彫ってもらうとまた一段と愛着がわいていいですよ。

ちなみに今回出刃包丁に彫ってもらった名前は見えないように画像を加工していますが、左利き用だと有次と自分の名前が並ぶのでこれはこれでかっこいいです。

修理や研ぎなどのアフターサービスが充実

有次では包丁の修理や研ぎなおしなどをしてもらうこともできます。
実際に私が名前を彫ってもらうのに待っている間に、2人ほど包丁の修理の持ち込みをされている方がいらっしゃいました。

京都のお店に持って行くのが難しい場合でも、宅配便で送ることで対応してもらえるようです。

良いものを手入れや修理をしながら長く使う、正に日本人の物を大切にする心が表れていていいなと思いました。

まとめ

有次の包丁は噂通りの最高の切れ味でした。
切れ味のいい包丁があるだけで、こんなにも毎日の料理が楽しくなると思っていませんでした。
大切に手入れをしながら長く使っていきたいと思います。

包丁以外の調理道具もたくさんあってみているだけでとても楽しいので、みなさんも京都に行ったときにはぜひ足を運んでみてください。