食品メーカーのサイレント値上げなどのコスト対策について考えてみた

2021年8月2日

様々な食品メーカーが原材料や人件費の高騰によって商品の値上げを余儀なくされています。
そんな中でどのように値上げをするかというのは長年の難しい問題で、メーカーごとに様々な対応が生み出されてきました。
そこで今回はそんな食品の値上げに対する対応をまとめてみていきたいと思います。

世間にはびこるサイレント値上げ

値上げはマイナスなイメージにつながりやすいということで、もはや王道になってきてしまっているのが「お値段そのまま内容量減」のパターンです。
世の中ではこれを「サイレント値上げ」と呼んでいます。
というかそういう名前がついてしまうほどにはびこっています。

ポテトチップスやポッキーなどはいつの間にかめちゃくちゃ中身が少なくなって、「やっぱり大人になって大きくなったから、お菓子がこんなに小さく見えるのかな?」というミニガリバー体験ができてしまうほどここ10年くらいで内容量が減っています。

容器でかさ増し

またこっそり内容量を減らすものの一つ上のレベルとして、容器でこっそりかさ増しがあります。
よく言われているのはコンビニ弁当ですね。

コンビニ弁当は二重になっていて中の容器は小さくて浅いものになっていたり、そもそも裏から見ると具ののるところががっつり出っ張っていたりします。
各コンビニ間での価格競争があるためなかなか値上げが難しいのかもしれませんが、コンビニ弁当一つでお腹いっぱいになれる時代は終わってしまったんですね。。。

魔法の言葉「おいしくなってリニューアル」

これもなんとなくで消費者を騙していこうというスタイルのひとつですね。
そしてこちらもコンビニでよく使われている印象です。

「おいしくなってリニューアル」と書いてあって、パッケージもおしゃれな柄に変更、でもよく見たら内容量がリニューアル前と比べて少なくなっているなんとことはざらです。

こういうパターン全般でずるいのはリニューアル前と後で同じ売り場に並ぶことはほぼないので、今までの物を写真で撮っていたりしない限りは気が付きにくいというところです。

ペッケージ変更に紛れて内容量を減らす

内容量を減らすことを明言しないでこっそりやるメーカーの中には、パッケージへの付加価値をつけるタイミングでばれないように内容量を減らすところもあります。

私がこれを感じたのは「明治おいしい牛乳」です。

最初は西日本限定?かなんかでこのパッケージに変更されて、最終的には全国的に蓋つきパッケージに変更されました。
そしてこの蓋つきパッケージは内容量が900mlにもかかわらず、それまでの1000mlパッケージと同じ価格で売られています。
明治おいしい牛乳はスーパーで手に入る牛乳の中で一番好きなので、当時この商法を取り入れてきたときは結構ショックでした。

内容量を減らしたことを誇る

これに関しては本当に理解に苦しむのですが、なんかよくわからない理由をつけて消費者のニーズにこたえてとか言い出すパターンです。
最近では2020年9月にネスレ日本のキットカットが小さくなりました。
どのくらい小さくなったかというと11.6gから9.9gになったので、約15%ほど内容量が減りました。

ネスレ日本のコメントは「砂糖の接種を控えたい、カロリーが気になるという消費者の声に答えた」とのこと。
でもそれってゼロカロリーコーラのような方を求めた声であって、小さくしてくれっていうことではないよね?というのは一般の方でもわかる気がするのですが。

実際に中身も15%減ったかというとそうではなく、今までは11.6gが14枚入っていたので162g、リニューアル後は9.9gが15枚入っているので148gです。
なので減った量としては約9%と言ったところです。
とは言え価格は据え置きなので、しっかりと減ってますよね。

おそらくですがネスレ日本もそんなことは重々承知で、コストが上がっているキットカットの利益率を何とか上げたかったのが本音だと思います。
でもちょっとこのコメントを見てからは、私はキットカットじゃなくて他のお菓子を買うことが増えてしまいました。

堂々と告知

ここまで企業がいかに消費者にばれずにこっそりと値上げをするかというのをご紹介してきましたが、堂々と告知する企業も一部ですが存在します。
私が印象的なのは赤城乳業の「ガリガリ君」です。

赤城乳業は2016年に25年間60円で販売してきたガリガリ君を70円に値上げましました。
そこで驚きだったのは、その値上げを堂々とCMで告知したんです。

社員さんたちが値上げに対して頭を下げるというこのCMは、当時ものすごいインパクトでニュースなどにも取り上げられました。
サイレント値上げが多発する中で、このような堂々とした値上げは逆に好印象だったと思います。

まとめ

もちろん消費者としては値上げ自体はマイナスですが、ある程度は仕方ないということも理解していると思います。
そんな中でサイレント値上げをすると言うことは、逆にメーカーや商品への信頼を損ねてしまうんじゃないでしょうか。

あの手この手で値上げを隠すよりも、赤城乳業のように堂々と「値上げします、すみません!」と言ってしまう方が私としては信頼できるし買いたくなるなと思いました。

ちなみにちょっと話はそれますが、いらすとやにもサイレント値上げ用のイラストがありました。
いらすとやのカバー範囲の広さにも驚かされますが、サイレント値上げがめっちゃあるということでもありますね。