2021年にムーアの法則が終わる?

2020年9月6日

数年前からムーアの法則の終焉が来ると話題になっています。
長年半導の技術的な発展はほぼムーアの法則通りになっていましたが、これが終わってしまうとはどういうことでしょうか。

今回はムーアの法則になじみがない人でわかるように、ムーアの法則とは?というところから、なぜ終焉を迎えてしまうのかというところまで簡単に解説していきたいと思います。

ムーアの法則とは

そもそもムーアの法則とは何かというところから解説していきます。

ムーアの法則(Moore’s law)とは、1965年にインテルの設立者のひとりのゴードン・ムーア(Gordon E. Moore)さんが提唱した法則です。

その内容は要約すると「半導体の集積率は18か月で2倍になる」というものです。

ちなみに「法則」とは呼ばれていますが、ムーアの法則は物理的な事象の決まりを表すような意味ではなく、経験に基づいた予測のようなものです。


はい、これだけ言われても半導体になじみがない人は1ミリもわかりませんよね。
半導体は簡単に言うと電化製品の中身に使われているもので、電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」の中間の性質をもつものです。

半導体の集積率が2倍になるということは、単純に言えば半分のサイズで同じ性能が発揮できる、また同じサイズなら2倍の性能が発揮できるということです。
(正確には若干違いますが)

ですので半導体の集積率が上がれば、電化製品の小型化高性能化につながります。

近年でもスマートフォンが出てきたり、PCやゲーム機の性能がどんどん良くなってきたりと、半導体の性能向上が様々な技術の進歩に貢献しています。

ムーアの法則の崩壊について

そんな50年以上続いてきたムーアの法則ですが、限界を迎えるのも近いのではないかとうわさされています。

ですが2016年に米国半導体工業会(SIA)から発表された「2015年の半導体の国際技術ロードマップ(2015 International Technology Roadmap for Semiconductors)」にて2021年にムーアの法則が終わるという予測が書かれています。

集積回路は2016年時点で10nm(ナノメートル)プロセスで作られています。
ちなみに10nmは0.00001mmです。めっちゃ小さいです。

ですが永遠に小さくし続けることはできません。
なぜなら物体は原子の集まりでできているためです。
また電流も電子の動きですので、これによっても物理的に小さくすることの限界があります。

このように物理的な要因でムーアの法則は限界を迎えるのではないかと言われています。

ムーアの法則が続くためには

物理的にムーアの法則には限界が来るのではということでしたが、おそらくこれ以上小さくするということは難しいのではないでしょうか。

素人目なのでなかなか解決策が出てきませんが、集積率を上げるのは難しいと思います。
ですが、性能的な面では半導体の集積率を上げる以外の方法も各企業考えているんだと思います。

何かしら革新的なブレイクスルーが起こり、この課題を解決してくれるのを待ちましょう。

まとめ

ということでちょっと難しいテーマでしたがムーアの法則の限界についてご紹介してきました。
これまでもムーアの法則の限界は話題になってきたのですが、どうにかしてこれを乗り越えてきました。

ムーアの法則のようなスパンではこれ以上の発展は難しいのかもしれませんが、これからの技術革新に期待したいと思います。