同じ力でも尖ったもの方が痛いのはなぜ? 圧力と面積の話【理系雑学】

2021年3月25日

例えばつまようじの尖った部分を手に当てて軽く押すと痛いですよね。でも同じ力で割り箸の先端を手に押し当ててもそんなに痛くないはずです。

いやそんなのあたり前じゃん、と思われるかもしれませんが、なぜなのかはご存じでしょうか?
今回はこれについてご紹介していきたいと思います。

尖ったものは痛いのはなぜ?

尖ったものが痛い理由はズバリ「圧力」が関係しています。
詳しくは後述しますが同じ力を与えても条件によって圧力は異なり、圧力が大きいほど押されているものには大きな力が伝わるんです。

結果として先端が尖ったものではより大きな力がピンポイントで伝わって痛いんです。

圧力の計算

圧力の計算自体は中学校ででも習うのでとても簡単です。
計算には力と面積を使います。

$圧力(\rm{Pa})=面積に与える力(\rm{N})\div力が働く面積(\rm{m^2})$

力を面積で割ってあげればよいということです。計算自体は簡単ですね。
ちなみに圧力の単位は「Pa」と書いて「パスカル」と読みます。

力が働く面積と圧力の関係

それでは先ほどの計算式を使って力が働く面積と圧力の関係を考えていきましょう。

まずは力が働く面積が一辺5cmの正方形で10Nの力が加わっている場合を考えてみましょう。

計算結果はこんな感じで、圧力は4000Paということがわかります。
4000Paがどのくらいの大きさなのかはさておいて、数値だけ覚えておいてください。

次に加わる力は先ほどと同じ10Nで、力が働く面積が一辺1cmの正方形の場合を考えてみましょう。

はい、100000Paです。
面積が25分の1になったことにより、かかる圧力は25倍になりました。
このことからも力が加わる面積が小さくなればなるほどかかる圧力は大きくなるということがわかりますね。

今回は計算しやすいように1辺1cmの正方形の棒で押した例で考えましたが、つまようじの先端などの尖ったものではこれとは比べ物にならないくらい面積が小さいです。
そのためかかる圧力はもっと大きくなるため、小さな力でも尖ったものを押し当てると痛いんです。

まとめ

計算してみると、そりゃ尖ったものを押し当てられたら痛いわって数字でもわかって面白いですよね。

ちなみにニュートンってどのくらいかイメージつかないかもしれませんが、1kgが約9.8Nです。
今回の例では10Nを使いましたが、1辺1cmの正方形の棒で10Nも押されたら、手貫通しちゃうかもしれませんね。