これぞ究極の集中と選択 グレッグ・マキューン「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」 【本・感想】

みなさんはいろんなことに手を出すタイプですか?それとも一点集中型ですか?
私は炒め物しながら煮物してよく焦すタイプです。

今日はそんな話(若干違う気もしますが)が書いてある本「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」をご紹介します。

こんな人におすすめ

・いろいろなことを並行して進めてうまくいっていない人
・なんでもかんでも頑張ってしまう人
・断れず色々任されてしまう人

エッセンシャル思考とは

みなさんはエッセンシャル思考という言葉をお聞きになったことがありますか?私はこの本を読むまでは聞いたことありませんでした。(初めて見たときは香りの何かかと思いました)

エッセンシャル思考とは一言で言えば「より少なく、しかしより良く(Weniger, aber besser)」を追求した生き方のことです。

エッセンシャル思考の人はすべてをやろうとは考えず、何かをとるために何かを捨てる決断をします。
本の中ではエッセンシャル思考の人とそうでない人との違いを以下のように述べています。

非エッセンシャル思考の人
 ・差し迫ったことから
 ・手当たり次第になんでもやろうとする
   →周りに振り回され、何事も中途半端になってしまう
エッセンシャル思考の人
 ・重要なことを見極める
 ・重要でないことは断る
   →質が高くなり、いろいろなこともコントロールできる

いちばんこの比較がわかりやすいと思った絵があったのでご紹介します。

本の絵写真で上げちゃうと著作権的にまずいかと思って、自分で書きました。字も絵も下手ですみません。

何でもやろうとするとエネルギーはいろんな方向に発散してしまいますが、一つにまとめたら同じ総エネルギー量でも大きな成果を得られます。
こう見ると物事を全部やろうとすると、何事も中途半端になっちゃいそうな気がしますよね。

構成

この本では4つのパートに分かれてエッセンシャル思考が紹介されています。以下で簡単にご説明します。

Part1 エッセンシャル思考とは何か
 エッセンシャル思考の基礎となる考え方は3つが紹介されています。
  1. 時間とエネルギーの使い方を選択する
  2. 世の中のほとんどのことはノイズであり、何が重要かを見極めることが必要
  3. なにもかもやるのは無理であり、選んで捨てることが必要(トレードオフ

Part2 見極める技術
 どうすれば最高の成果を出せるか考えることが必要で、そのために大量のどうでもいいことの中から少数の大切なことを見極重要性と方法が紹介されています。

Part3 捨てる技術
 最高の成果を出すためには、時には断ることも必要。(断り方も紹介されています)
 「もしも自分で捨てるものを選ばない場合は、他の人があなたの大切なものを捨ててしまうだろう。」

Part4 しくみ化の技術
 努力と根性でやりとげるのではなく、すんなり実現するような仕組みをつくるのがエッセンシャル思考の考え方です。そのための方法が紹介されています。

これらの内容がエッセンシャル思考の人と非エッセンシャル思考の人との比較を頻繁に交えて説明されています。
(こういう本によくある「○○はこんなに良い、○○はこんなにダメ」が結構ありますが、そればっかりというほどではないです)

まとめ

私はこの本を読む前までは、やりたいことは全部やって全部うまくいかそうと思っていたのですが、この本を読んで「捨てるものを選ばないということは、得るものも何も選ばないのと同じ」だなと思いました。
まわりに振り回されず、自分で自分の人生の主導権を握るためにはこのエッセンシャル思考という選択的な思考が必要ではないかと私は思います。

ちなみに途中から選択の話だけでなくいろいろな話に広がっていくので、正直個途中でエッセンシャル思考がぼやけることがありました。それを踏まえても、全体を通してはいい本だと思います。

極端にすべて取り入れる必要はないと思いますが、一度この本を読んで選択して取り組むことを考えるきっかけにしてみてはどうでしょうか。特に、なんでもかんでもすべてを頑張ってしまう人にこそこの本をおすすめしたいです。